端的にあらわしたインタビューがあります。以下・・・
Q 今日の美術館の状況やアートを取り巻く環境を鑑みて若いキュレーターにアドバイスを与えるとしたら、どのようなものになりますか?
A 私のアドバイスもあまり変わらなくて、見て見て見て、さらに見て見て見て、またさらに見て見て見よ、ということです。見ることに代わるものはないですから。アートとは全て、見ることに集約されるのです。それは表面を見ることにとどまりません。より深く見るということであり、つまり見ることで考えることになるのです。・・・中略
「キュレーション‐現代アートを作ったキュレーターたち、P254―アン・ダノンコート(元フィラデルフィア美術館館長)へのインタビュー、著‐ハンス・ウルリッヒ・オブリスト、刊‐フィルムアート社」抜粋
これはキュレーターだけではなく、クリエイター全てに言えることではないかと思うのです。見ると言っても、その場の空気空間も含めて、実物に触れる。ただ我々は日々生きるのに忙しく、時間やお金を捻出してその場へ赴くのは、なかなか贅沢なこと。でも写真や映像では、わからないことがたくさんあります。その分「真剣」に見ることになるのかも知れません。