対話形式で、そのまま掲載します。
講師
そのような仕掛けをする、現代アートが実際にたくさんあったのです。
受講者さん
なんと!
講師
「フルクサス」「ハプニング」というアート・ムーブメントです。
そこでは、アート・パフォーマンス、コンセプチュアル・アートが数多く発表され、注目を集めました。ささやかな「仕掛け」をして、来場者を巻き込み、考えてもらったり、違う視点で見てもらったりした、アーティスト集団がいました。
推測ですが、このようなアートのことを、この美術館を訪れる観客は、知っていたんではないでしょうか?
そうでなければ、蹴っ飛ばされたり、落とし物として届けられたりしたのではないかと思うのです。
受講者さん
知らなかったです。
ちょっと検索して調べました。
フルクサス(Fluxus)
ラテン語で「流れる、変化する、下剤をかける」
新奇なインターメディア表現、シンプルで意味を限定しない表現、ユーモア・ウィットのある表現、ゲーム性を好んだ表現。(出展元 Wikipedia)
講師
なかなか、愉快ですよね。
受講者さん
いたずらであっても、驚かせようという意図をもってメガネが置かれたということが芸術、というイメージでしょうか?
講師
いたずらか?芸術か?「フルクサス」に置いて、この境目は難しいかも知れません。だからといって、勘違いされたことで、メガネを床に置いたことが、芸術として成立したとは思いません。
例えば、「どっきり」や「フラッシュモブ」は芸術でしょうか?目的の違いはあれ、日常に非日常を差し挟むという手法の類似性はあります。
受講者さん
大通りで、プロの演奏家が次々に演奏に参加していく「フラッシュモブ」は芸術だと思えました。なにかしら「技」があったり、ちゃんと狙いやテーマがあれば芸術になるのかな。
受講者さん
あまり芸術というイメージはないですね!ただ行動を起こした人が、その行動をアートだと認識しているなら芸術になると思います。
受講者さん
言葉のイメージだと、「どっきり」はいたずらで、「フラッシュモブ」は芸術だな、と感じます。驚かせることだけが目的なものと、それ以外にも目的があるもの、の違いでしょうか…
講師
面白いですね。つまりアートは、認知の問題が大きく関わるということになります。また、今後詳しく掘り下げてみても良いテーマですね。
受講者さん
例えば音楽だと、ただ発した音を、発信者が「これは音楽だ」と認識しているなら、音楽になるなと思います。
講師
盛り上がりましたが、アートとそれ以外の境目を厳密にするのは、ちょっと先延ばししましょう。
「アート・パフォーマンス」「パフォーミング・アーツ」の違いなど、複雑なものがありますので、大変です。
まとめます。
アート・パフォーマンスの興隆
●何時でも、どこでも、自分の体さえあれば出来る気軽さ、ささやかさは、アートの敷居を下げました。
●表現する人が、ささやかに、気軽に、何か面白いことを出来るという可能性は、楽しいと思います。
●今は、自分のダンスやパフォーマンスを、気軽に投稿したり、閲覧できたりする状況もあるので、今後に注目したい分野です。